ニコンのタイ工場にみるリスク・マネジメント |
しかしながら、こちらの考察を読む限りでは、少なくともニコンのカメラについては問題ないようです。同日にリリースされたニコンのプレスリリースには、立ち入り禁止区域に指定され現地の状況を把握しきれない旨の記述がありましたが、なんといっても業界で権威あるテクニカルライター先生の考察なので、これは信憑性の高い情報と理解してよいはずです。
▼デジタルカメラ生産のリスクマネージメント
http://hinden563.exblog.jp/16472782/
報道によると、ニコンの一眼レフ工場は1階が完全に水没し、2階はいまのところ浸水はしていない。ニコンの公式発表がまだないので、どの程度の被害状況なのかわからないのだが、一説によると1階は交換レンズのラインであり、カメラボディーのラインは2階だという。それならば、ニコンの一眼レフの約90%を占めるというタイ製のD3100、D5100、D7000、そしてD700は大丈夫ということになる。ただ、1階が水没しているとすれば、たとえ2階のラインが稼働しているとしても、運搬に支障を来す可能性がある。1Fが完全に水没しても、2Fの生産設備が稼働可能(=大丈夫)と想像され、支障を来す可能性があるのは製品の運搬だけ、というのは、他を圧倒する比類なき高可用性生産設備ですね。電気、空調、資材管理や生産管理のためのコンピュータシステム、パーツや消耗品のストック等は、1Fと2Fとで完全に独立した運用設計なんでしょうね。いや、それだけでなく、従業員のための設備、例えば、食堂や食品の備蓄、そしてトイレも、2Fだけで運用可能に違いありません。さすがニコン。ますます製品が好きになりました。
ちなみに、筆者も1企業人として、人、物、金、その他、社内外のあれやこれやに日々頭を悩ましております。そんな筆者の皮膚感覚として、正しい意思決定や物事の評価には何よりも正確な情報が必要で、当事者として正しい情報を入手できない状況下では、憶測でうかつな判断や評価はするべきではない、と肝に銘じております。自社の意思決定でさえ苦心するのに、本当の情報を入手できない他社のことなと、勝手な評論はもっての外。なので、カメラ雑誌の記事やブログで、カメラメーカーの経営指南やらお叱りをするナワ先生や山Qやアベちゃんとかを見ると、裏で収集しているであろう正確かつ膨大な情報量に畏怖を覚える次第です。

まぁ、面と向かって突っ込まれる事が無い方々は脇がとっても甘いですからね~
