2006年 02月 04日
EF80-200mm F2.8L |
久々に昔のレンズ評です。え~と、どこまでいきましたっけ? あっ、シグマの初代APO 400mm F5.6ですか。しかも去年の4月…
さて、EF100-300mm F5.6L、APO 400mm F5.6と揃え、EOSでの撮影枚数がますます増えてくると、それに反比例するかのようにMFの腕が落ちました。そうなると、完全にC社の思うツボというわけで、「俺もそろそろEOSに完全移行か」という気持ちになってきます。
で、買ってしまいました。初代EOS-1HSを。当然、そうなると高級玉が欲しくなります。とりわけ、EOS-1HSのAF性能を最大限発揮させようと思ったら、USM駆動で、クロスセンサーが働く開放f2.8の玉は必須。とはいえ、サンニッパは色々な意味で自分にとっては敷居が高く、おいそれと手を出せるものではありません。そこで、なんとか手が届く玉ということで、EF80-200mm F2.8Lを入手しました。1991年初夏のことであります。
当時のEOSは、USMレンズとAFDレンズとではAFの駆動制御が異なり、AIサーボAF時、USMレンズの方が、 より高速に被写体に追従するのが売りでした。例外的に、 1989年にEOS-1と同時発表されたEF80-200mm F2.8LとEF20-35mm F2.8Lの2本だけは、AFDレンズながらUSMレンズと同等の高速AFが可能で、USMレンズ並みの静粛さが売りでした。本来なら、小型のリングUSMが実用化された後、それを搭載して商品化されるべき玉だったのでしょうが、N社のF4に対抗できるシステムを早期に商品化する都合で、こんなかたちの玉になったのではないかと想像します。
実際に使ってみると、確かに、AFは高速で、レスポンスと精度は後発のEF70-200mm F2.8L USMに遜色ありません。AF駆動音も、USM並みの静かさは誇張があるにしても、不快な駆動音は発生しません。この玉をEOS-1HSに装着して初めて、「最先端のAFに触れた」という実感が湧きました(笑)。なお、残念ながらフルタイムMFはできませんが、MFリングの操作感は素晴らしいです。
今の目で見ると、フードが貧弱で逆光に弱い、EXTENDERが装着できない(後玉がマウントぎりぎりのところに位置しています)、内部のレンズにAF駆動系の油が飛ぶ、などと欠点が目立ちますが、実用上の問題はないので、お金をかけずに写りのいい大口径望遠ズームレンズが欲しいなら、中古を検討する価値はあります。
ところで、AFD駆動の静粛・高速AFレンズは、結局、前記の2本だけで終わってしまいましたが、もし、小型リングUSMの実用化が遅れたら、例えば、EF300mm F4L USMあたりは、このタイプのレンズとして発売されたかもしれませんね。USM搭載の望遠レンズをジェット戦闘機に例えるなら、このレンズやN社のAF-Iレンズは、在来型モータで高速AFを極めたという点で、第2次大戦末期の推進式レシプロ戦闘機を思わせます。1991年当時、カメラのAFは、いずれはすべてUSM搭載のレンズ内モータ駆動になるのかな、と想像していましたが、21世紀になってもなお在来型モータ搭載のAFレンズが登場し、しかも、フルタイムMFまで実装しているのには、ちょっと驚いています。まだまだ、USM搭載には周辺特許やコストの壁が高いのかもしれませんね。
▼SIGMA APO 400mm F5.6
http://aim7.exblog.jp/11195472/
▼更新履歴
2004.01.01 記
2006.02.04 採点修正
さて、EF100-300mm F5.6L、APO 400mm F5.6と揃え、EOSでの撮影枚数がますます増えてくると、それに反比例するかのようにMFの腕が落ちました。そうなると、完全にC社の思うツボというわけで、「俺もそろそろEOSに完全移行か」という気持ちになってきます。
で、買ってしまいました。初代EOS-1HSを。当然、そうなると高級玉が欲しくなります。とりわけ、EOS-1HSのAF性能を最大限発揮させようと思ったら、USM駆動で、クロスセンサーが働く開放f2.8の玉は必須。とはいえ、サンニッパは色々な意味で自分にとっては敷居が高く、おいそれと手を出せるものではありません。そこで、なんとか手が届く玉ということで、EF80-200mm F2.8Lを入手しました。1991年初夏のことであります。
当時のEOSは、USMレンズとAFDレンズとではAFの駆動制御が異なり、AIサーボAF時、USMレンズの方が、 より高速に被写体に追従するのが売りでした。例外的に、 1989年にEOS-1と同時発表されたEF80-200mm F2.8LとEF20-35mm F2.8Lの2本だけは、AFDレンズながらUSMレンズと同等の高速AFが可能で、USMレンズ並みの静粛さが売りでした。本来なら、小型のリングUSMが実用化された後、それを搭載して商品化されるべき玉だったのでしょうが、N社のF4に対抗できるシステムを早期に商品化する都合で、こんなかたちの玉になったのではないかと想像します。
実際に使ってみると、確かに、AFは高速で、レスポンスと精度は後発のEF70-200mm F2.8L USMに遜色ありません。AF駆動音も、USM並みの静かさは誇張があるにしても、不快な駆動音は発生しません。この玉をEOS-1HSに装着して初めて、「最先端のAFに触れた」という実感が湧きました(笑)。なお、残念ながらフルタイムMFはできませんが、MFリングの操作感は素晴らしいです。
☆★★★ 写り写りの方は、ヌケの良さと切れ味は一級品で、同時期に併用していたFD80-200mm F4Lよりヌケが良い印象があります。飛行機写真では、ほとんどが絞りf8あたりでの撮影なので、単純に、開放f2.8の玉をf8で使うか、開放f4の玉をf8で使うかの差なのかもしれませんが。ただ、開放付近での周辺減光は泣き所で、極力f4まで絞って使うべし。中間焦点域(135mm付近)はf5.6まで絞った方がいいです。
☆★★★ AFの俊敏性
★★★★★ MFの心地よさ
★★★★ 手持ちのフィット感
★★★★ 費用対効果
★★★ 愛玩度
今の目で見ると、フードが貧弱で逆光に弱い、EXTENDERが装着できない(後玉がマウントぎりぎりのところに位置しています)、内部のレンズにAF駆動系の油が飛ぶ、などと欠点が目立ちますが、実用上の問題はないので、お金をかけずに写りのいい大口径望遠ズームレンズが欲しいなら、中古を検討する価値はあります。
ところで、AFD駆動の静粛・高速AFレンズは、結局、前記の2本だけで終わってしまいましたが、もし、小型リングUSMの実用化が遅れたら、例えば、EF300mm F4L USMあたりは、このタイプのレンズとして発売されたかもしれませんね。USM搭載の望遠レンズをジェット戦闘機に例えるなら、このレンズやN社のAF-Iレンズは、在来型モータで高速AFを極めたという点で、第2次大戦末期の推進式レシプロ戦闘機を思わせます。1991年当時、カメラのAFは、いずれはすべてUSM搭載のレンズ内モータ駆動になるのかな、と想像していましたが、21世紀になってもなお在来型モータ搭載のAFレンズが登場し、しかも、フルタイムMFまで実装しているのには、ちょっと驚いています。まだまだ、USM搭載には周辺特許やコストの壁が高いのかもしれませんね。
▼SIGMA APO 400mm F5.6
http://aim7.exblog.jp/11195472/
▼更新履歴
2004.01.01 記
2006.02.04 採点修正
by aim-120a
| 2006-02-04 23:59
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