三流SI屋なので、もの凄~く厳密な要求仕様に基づくシステム構築を依頼されることはまずありません(笑)
サーバの機種選定は、「予算の範囲で最良の機種」もしくは「過去の類似の事例で運用実績ある機種かその後継機種(か同クラスの機種)」で済ませてしまいます。幸い、それで問題になったことはほとんどありません。それゆえ、たま~に「機種選定の数値根拠を知りたい」と突っ込まれると、これがけっこう頭を抱えます。
そんな稀な依頼に直面する機会があり、TPC-Eを一夜漬けしてしてみました。いきなり"up-to-the-minute"のレポートを作れと言われた心境です。
えっと、TPC-Eとは、2007年から使われはじめたDBサーバのベンチマークで、それまで使われていたTPC-Cの代替。株式仲買会社の業務をモデルにありがちなトランザクション処理を再現し、株を売買する顧客のアカウントに関わるトランザクションを、それなりにリレーションを張った33のテーブルに出し入れしてスループットを計測するもの。
と、ここまでは日本語のIT系ニュースサイトに書かれていますが、日本語でそれ以上の情報は見当たりません(探し方が悪いのかもしれませんが)。手始めに日本語ウェキペディアの記事をみたところ、あまりに投げやりな内容。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%88%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%82%B6%E3%82%AF%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3%E5%87%A6%E7%90%86%E6%80%A7%E8%83%BD%E8%A9%95%E8%AD%B0%E4%BC%9A
でも、これは訳者のせいではなく、英語の記事も同様に、いや、それ以上に投げやりな内容(藁)
http://en.wikipedia.org/wiki/Transaction_Processing_Performance_Council
軽く訳して手短な解説をつければ、はてブがたくさんついてアルファブロガーな人になれそうなものですが、そういう奇特な人も見当たりません。
なんでかな? と思って少し真面目に翻訳を始めたところ、仕様書が289ページ(この記事を書いている時点での最新版)という分量の壁以前に、証券業務の英語を知らないと翻訳できないことに気がつきました。

とりあえず概要説明を見れば、テーブル定義がこんなもんで、E-R図がこんなもんで、ベンチマークで投入したトランザクションの内訳がこんな割合で、各トランザクションの意味、read-onlyかread-writeか、CPU-heavyか否か、くらいは斜め読みでもわかるので、これから提案しようとしているシステムでの照会系トランザクションと更新系トランザクションの割合とデータ量が想定できれば、TPC-Eでこんな数値だから、きっとこの機種で大丈夫でしょ、くらいの知ったかぶりはできそうです。
でも、正しく翻訳しようと思うと、これは辛い。英英辞書サイトのビジネスカテゴリでの検索結果とにらめっこです。どうりで、素敵な解説が見当たらないわけだ。
▼TPC-E
http://www.tpc.org/tpce/default.asp